Googleアドセンス公式から「無効なトラフィックが検出されました。~広告を制限いたしました。」と記載されたメールが届いた方向けに、具体的な対策・手順を紹介します。

対策の手順はざっくり3つです。
- アナリティクスで怪しいアクセスを特定する
- Google連絡フォームに報告する
- 対応を待ちながら予防対策を行う
順番に解説していきます。僕の場合(当ブログではない)、❷の報告を完了した日から解除までの期間はちょうど7日間でした(解除までにかかる時間の詳細)。参考にしてください。

Google側は制限した理由を教えてくれません!詳細の情報が悪用されて禁止ルールをすり抜けられるリスクがあるからです。つまり、できる対策を実施するのみ!
制限中にやるべきではない行動
対策前に注意です。制限解消を長引かせるNG行動が2つあります。
順番に解説していきます。
❶設置中の公告を外してはいけない
制限通知のメールを受けてから解除されるまでは、
- 設置中の公告をを外してはいけない
解除までの時間が余計に長引いてしまいます。理由は以下の公式ページ情報の通り、制限解除ができなくなってしまうからです。
広告コードを削除した場合には、その間はトラフィックのモニターは行われなくなります。(モニターしないため、トラフィックの品質の判定もできなくなり、広告配信制限が解除されることもありません。)
アドセンスヘルプ『無効なトラフィックのメッセージが一度消えた後に復活しました。』

焦って広告を消したくなりますが、グッと我慢しましょう!では対策へ!
❷Twitterで記事を拡散しない
また広告を外さないことに加え、
- Twitterでの記事拡散も控える
方が賢明だと言われています。理由はSNS経由でさらに怪しいアクセスが入ってくる可能性があるからです。そうなると、制限解除はまた一段と難しくなるでしょう。

制限解除を受けた!アドセンス狩りに遭った!というツイートも悪質なアクセスを誘発するリスクになり得ます。控えるのがおすすめです!
無効なトラフィックとは?具体例あり
アドセンス公式ページによると、無効なトラフィックは以下のように説明されています。
無効なトラフィックとは、広告主様の費用やサイト運営者様の収益を作為的に増やす可能性のあるクリックやインプレッションのことです。無効なトラフィックには、意図的な不正トラフィックや偶発的クリックが含まれます。
Adsense公式ヘルプ『無効なトラフィックの定義』
無効なトラフィックの具体例は以下。
- サイト運営者が自ら広告をクリックする
- 家族・友人など身内の第三者が何度もクリックする
- 広告をクリックさせるための過度な誘導文を記載
- 意図せず広告クリックを起こす悪質な記事デザイン
- 不正なツールを利用する
(ex. 自動クリックを発生させるツール)
カンタンに言い換えると、「広告のサービス・商品に興味があって起こるクリック」以外のクリックは無効なトラフィックに当たるということです。

他にも、第三者の他人による『アドセンス狩り』と呼ばれる行為も無効なトラフィックに含まれます!
アドセンス狩りとは?
アドセンス狩りとは、第三者の他人による悪質な行為を指します。具体的には、サイト運営者がアドセンスの広告制限・停止を受けるよう仕向けるため、わざと不正な広告クリックを行うことです。
アドセンス狩りとは、Google AdSenseの広告に対して第三者がAdSenseの規約に違反する行為を行い、運営者にアカウント停止などのペナルティが課されるように仕向けることを指す通称
アドセンス狩りとは何? Weblio辞書
Twitter「アドセンス狩り」と検索すると、たくさんの被害ツイートが出てきます。恐ろし過ぎ。
本記事でご紹介した無効なトラフィック対策・予防策は、すべてアドセンス狩り対策でもあります。ひと通り、頭に入れておきましょう。絶対に損はしません。

アドセンス狩りの恐ろしさを知らなければ予防策は面倒、後回しにしがち!まずはTwitterで恐ろしさを確認しましょう!
無効なトラフィックの具体的な対策・手順
無効トラフィックによる広告制限・停止に対する具体的な対策手順を解説していきます。
❶怪しいアクセスを特定する
最初は怪しいアクセスの情報を集めることからスタートします。
今回はGoogleアナリティクスを使った方法の紹介です。手順は以下。
- [集客]>[すべてのトラフィック]>[参照元/メディア]クリック
- 上部の文字「エクスプローラー」の下タグの[Adsense]クリック
- データの指標右から2番目[AdsenseのCTR]クリック
- 表示回数に対してクリック数が高すぎる(CTRが高すぎる)と不正疑惑があるため
- 表示1回で15クリックされるとCTR1500%と表示されます(完全にアウトな値)
- CTRが異常な値のデータをクリック
- だいたい400%~1500%の値なら異常値とされる
- アクセスが多いページの平均値と比較して高すぎないかチェック
- [セカンダリディメンション]で地域と日時を調べる
- 地域を調べる:[ユーザー]>[市区町村]
- 日時を調べる:[日時]>[日付]or[時刻]
- 疑わしい該当データはすべて画面スクショで保存しておく
- 「日時」「地域」「CTR」「表示回数」「日付」をすべてメモしておく
別の方法も紹介します。
- [ユーザー]>[地域]>[地域]クリック
- 上部の文字「エクスプローラー」の下タグの[Adsense]クリック
- CTRが異常な値のデータをクリック
- [セカンダリディメンション]で地域と日時を調べる
- 疑わしい該当データはすべて画面スクショで保存しておく
- 「日時」「地域」「CTR」「表示回数」「日付」をすべてメモしておく
調べる経路がちがうだけで「不正疑惑のあるデータの情報を出す」目的は変わりません。

ここでGETしたメモとスクショを使って、Googleに不正連絡します!
❷Googleに不正連絡をする
続いて、無効なクリックの連絡フォームから先ほど取得したメモとスクショを含めた不正アクセスの情報共有をしましょう。このフォーム送信が、解除申込の役割を担います。入力項目は8個です。
- 氏名
- メアド
- サイト運営者 ID
- 広告コードが表示されているURL
- トピック
- クリックが発生した日時
- 無効なクリックの疑いがあることを示す該当部分
- 不正な操作の原因と考えられる疑わしい IP アドレス、参照 URL、リクエストに関して、お客様のウェブサイト、モバイルアプリ、YouTube チャンネルのトラフィックログやレポートのデータをご記入ください。
わかりづらい項目があるので解説・記入例を載せておきます。
各項目の解説・記入例
わかりづらい項目の具体的な記入例を補足します。
3. サイト運営者 ID
サイト運営者 ID はアドセンス管理画面の[アカウント情報]ページの歯車アイコンを押して[設定]を選択肢し、[アカウント情報]を開くと表示される「pub-xxxxxxxxxxxxxxxx」の文字列です。
4. 広告コードが表示されているURL
広告を設置していたサイトのURLです。
5. トピック
「アカウントで発生する通常とは異なる動作をレポートする」を選択する
6. クリックが発生した日時
無効トラフィックがあったと思われる日時(時間を特定できなかった場合は日にちのみ)
7. 無効なクリックの疑いがあることを示す該当部分
無効クリックが疑われる根拠となるデータを記入します。
- CTR
- クリック数
- 表示回数
- 地域
- クライアントID
- IPアドレス
などが挙げられます。正解はありませんが、Google側はこの情報をもとに「ほんとうに問題があるアクセスか」を調べます。少しでも多くの情報を載せておくのが賢明です。
丁寧にお願いした方が早く対応してくれるかも!と思い、以下のような文にしました。もっと良い文章もあるかと思いますが参考までに。

しかし、直接入力は1000文字の制限付き、写真添付もできません。
そこで、証拠となるデータが映った画面のスクショを格納したGoogleドライブを作成して、フォームの入力欄にドライブのURLを載せる方法もあります。
例えば、不正クリックと思われるデータが表示されたグーグルアナリティクスの画面やアドセンス管理画面のスクショを格納する場合が多いです。

ドライブ名は「該当部分の画像【無効なクリックの連絡フォーム】」にしました、参考までに!
8. 無効クリックをしたIPアドレス~
IPアドレスなどが特定できた場合に記入する項目です。
無効クリックのIPアドレス特定は、有料ツールを利用して取得する方法がありますが、難易度が高くほとんどの人はできないと思います。
上の項目「無効なクリックの疑いがあることを示す該当部分」内できちんと情報が記載できていれば、無記入でも特に問題はなく制限解除されます。
対応・回答してもらえない場合もある
連絡フォームの送信をしても、必ず対応・回答してもらえるとは限りません。

「重大な問題点が見つからない場合は、個別の回答を行わない場合があります」と記載されているので、問合せても解決されないどころか原因も分からずじまいになる可能性もあるということです。
問題点を見つけてもらうためには、自分の力で確信的・具体的なデータを見つける努力をする他ありません。

疑いのあることはすべて実施!少し苦しいですが、最初に乗り越えたら再発防止にもつながります!
制限・停止の解除までにかかる時間
アドセンス広告の停止から解除までにかかる期間は全部で12日間。最初の4日間は対処法のリサーチや原因探しを行い、そのあと不正疑惑データの報告を完了した日からは8日間が経過していました。時系列で並べてみます。
- 2020/12/10 5時【初日】:
広告制限通知メール受取り(全広告全停止) - 2020/12/14 16時【4日経過】:
不正アクセス疑惑データをGoogleに送信 - 2020/12/22 5時【12日経過】:
広告制限の一部復活(下画像の制限通知が表示されたまま)

完全解除の日時は確認次第すぐに更新予定です。
無効トラフィックの予防・準備
続いて、無効なトラフィックによる広告制限に備える準備をしておきましょう。再発防止あるのみです。
- 不正クリック防止プラグインの導入
- アドセンスとアナリティクスの連携
- 自サイトの公告を安易にクリックしない
- 広告の掲載方法に問題がないか確認する
- 信頼できない業者・個人との提携を回避
- 管理画面のスクショをTwitter公開しない
❶不正クリック防止プラグインの導入
無効トラフィックによる広告の制限を未然に防ぐためには、アドセンス広告への不正クリック(無効トラフィック)が複数回行われると自動的に広告の表示を制限する機能を持つプラグイン『AdSense Invalid Click Protector(AICP)』を導入しましょう。
導入・設定に関しては、こちらの記事が参考になります。調べる限り、いちばん詳しく解説していた記事です。
❷アドセンスとアナリティクスの連携
アドセンスとアナリティクスの連携をしておくと、不正なアクセスの情報が探しやすくなります。
報告時には必ずデータの記入が求められますが、このデータは連携後のアナリティクスから調べるのが一般的です。
不正な操作の原因と考えられる疑わしい IP アドレス、参照 URL、リクエストに関して、お客様のウェブサイト、モバイルアプリ、YouTube チャンネルのトラフィックログやレポートのデータをご記入ください。
アドセンスヘルプ『無効なクリックの連絡フォーム』
万が一、また制限を受けた時のために必ず連携しておきましょう。連携方法は、以下のアドセンス公式ページで解説されています。

「どのページがクリック率が高いか」など、収益UPにつながる分析ができるデータも把握できます!
❸自サイトの公告を安易にクリックしない
これは日常的に注意が必要です。アドセンス広告を運営者自らクリックする必要性はないはず。
アカウントを無効にされたらせっかく稼いだ売上も、苦労して通った審査もすべて台無しです。「アドセンス広告を自分でクリックしてはいけないんだ!」と潜在意識に刷り込ませましょう。
広告に関心がある場合や、リンク先 URL を確認したい場合でも、自分自身の広告をクリックすることは禁止されています。Google は、サイト運営者様による自サイトの広告のクリックをフィルタ処理してデータから除外していますが、これらのクリックを無視するわけではありません。サイト運営者様がサイトでの収益や広告主様の費用を増やすためにご自身のサイトで広告をクリックしていると判断された場合は、広告主様を保護するためにアカウントを無効にさせていただく場合があります。
アドセンスヘルプ:『無効なトラフィックを防止する方法』

公式の説明文を読む限り、数回の誤クリックであれば問題なく処理してくるのかも。ただ、意図的なクリックは絶対NGです!
❹広告の掲載方法に問題がないか確認する
運営サイトの公告掲載方法に関して、問題がないか常にチェックしておきましょう。
読者が意図せず誤クリックしてしまう何かしらの要因があれば、制限の対象になりかねません。
広告の掲載方法をカスタマイズすると、意図しない広告リクエストが発生する場合があります。広告が AdSense の広告の配置に関するポリシーを遵守して掲載されており、プログラミングのエラーがないことをご確認ください。また、複数のブラウザやプラットフォームで広告を確認し、適切に表示されているかチェックしましょう。
アドセンスヘルプ:『無効なトラフィックを防止する方法』
具体的には以下のような広告掲載方法は、誤クリックを生むと説明されています。一つ一つチェックしてみましょう。
誤クリックの誘導
アドセンスヘルプ:『広告のプレースメントに関するポリシー』
広告の不自然なアピール
誤解を招く見出しの下での広告配置
スクロールしなければ見えない位置にコンテンツを配置したサイト レイアウト
画像と広告の並列配置
広告フォーマットに似せたコンテンツ
報酬の提供
広告と Flash ゲームの間隔
❺信頼できない業者・個人との提携を回避
お互いにリンクを貼り合ったり、クリックを増やしたりする協力関係がある場合は要注意です。
思い当たる節がある場合は、連携を止めておきましょう。怪しい営業がきたも即却下です。
サイトへのトラフィック増加を目的として、品質の低い広告ネットワークや検索エンジン、ディレクトリ サイトと提携すると、無効なトラフィックの問題が生じる場合があります。詳しくはトラフィックの購入をご覧ください。
アドセンスヘルプ:『無効なトラフィックを防止する方法』

読者のためにならない施策はすべてNG!Googleの理念です。
❻管理画面のスクショをTwitter公開しない
Twitterで頻繁に見かけますが、アドセンス管理画面のデータを一般公開するとアカウント凍結される場合があります。
公式回答のざっくりまとめは以下。
- まだ振り込まれていない未確定の発生収益は公開NG
- まだ振り込まれていない未確定の発生収益でも、端数を隠した正確な値ではなければ公開NG
- すでに振り込まれた収益の確定額は公開OK
参考:アドセンス収益の公開【OKか違反か?】直接質問してみた!

収益が上がると嬉しくてみんなに知らせたくなりますよね、、ただ我慢!広告を止められたら稼ぎはSTOPです!
無効トラフィックに関するQ&A
最後に無効トラフィックに関する補足説明をQ&A形式で解説していきます。
後から無効なクリックが検出された場合は、月末に算出される収益の確定額で該当する分の収益が差し引かれます
レポートからクリック数と収益が削除された場合

まとめ
アドセンス公式の問い合わせと回答が集まっているフォーラムも有効活用しましょう。広告制限に同じように困っている人の質問、それに対する詳しい方の回答が残っています。